速い人と、早い人

速い人と早い人は違う、と最近思う。

AIと一緒にコードを書いて、クライアント向けの業務改善ツールを作っている。毎週、4つか5つの自動化タスクを並行で動かしていて、決まった曜日に定例がある。そこまでに作って、見せて、フィードバックをもらって、翌週また直す。このリズムがずっと続いている。

私自身はコードにそこまで詳しいわけじゃない。でも、何回もやっていると、どういう渡し方をすればうまくいくか、どういう場合にエラーが出やすいか、なんとなくわかるようになってくる。やりながら失敗して、マッハで覚える。わからないことはAIに聞く。その繰り返し。

最近、AIを使えば「速く」作れるという話をよく見る。1つのタスクを短時間で終わらせる、という意味の「速さ」。それはそうだと思う。でも、個人的に大事だと感じているのは、そっちの速さじゃない。

完璧じゃなくても早い段階で出して、サイクルを回す。この「早さ」の方が、仕事には効いている。

決まった曜日の定例で、作りかけのものを見せる。その場で「ここはこうしたい」「これだと使いにくい」と言ってもらえる。それを持ち帰って、翌週また出す。完璧に仕上げてから出していたら、このやり取りは発生しない。

この「早さ」が効くのは、たぶん変化が早い環境にいるからだと思う。使っているツールのバージョンが上がって動かなくなることもあるし、AIモデルが廃止になるという連絡が来ることもある。半年前に作ったやり方が、そのまま使えるとは限らない。

だから、一回で完璧に作ろうとするより、出して、直して、また出す方が理にかなっている。完璧を目指しているうちに、前提が変わってしまうことがあるから。

何回も回していると、技術そのものじゃなくて、技術の使いどころがわかってくる。エラーが出たときに「たぶんここだな」と当たりがつくようになる。コードを読めるようになったわけじゃない。ただ、同じようなことを何回もやっているから、パターンが見えてくる。

参考書を1冊完璧に読み切るより、3周流し読みした方が頭に残る、あの感覚に似ている。

毎週サイクルが回る環境にいると、半年で相当な回数になる。その回数が、そのまま自分の勘所になっている。

回してるうちに、なんか頭が良くなってる気がする。考えの整理が早くなったというか、前より迷わなくなった。たぶん気のせいじゃない。

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